電子工作をしていると、5V電源をよく使うのですが、これは乾電池2個だと足りなくて昇圧するか電池3個を使う。同時にサーボモータやモニタを繋げるときは9Vが欲しくて、高価な500円の9V乾電池を買ってくるか、電池6個を使って9Vを取り出すか、ということをやっている。
電池だと消耗してしまうので(充電タイプを使うけど、連続運転という訳にはいかない)、5V のほうはスマホの充電器をつかうのはいいとして、9V はなんとかしたいところであった。
ふと、手元にあるあまりのノートパソコンの電源アダプタが使えるのでは?と、探してい見ると 【ACアダプタを減らしたい】デスクLED照明のACアダプタを減らす | Beヨンド なところがある。これはパソコン電源をつかっているけど、ノートPC のアダプタも直流で16V や 19V のものがあるので、適当に降圧してやれば 5V なり 9V なりが取り出せるだろう。
アダプタを加工し、降圧回路で下げる
ノートPC のアダプタは、各社様々でなんで統一しないのだろうか?ってほどたくさんある。勿論、それにはそれなりの理由があるのだが(これは後述する)、電圧も電流も様々である。高最近のノートPCだと、19V あたりが主流かもしれないが、手元にあるパナソニックの16Vの電源アダプタ―を加工する。このアダプタはノートPCを廃棄に出したときに、出し忘れてしまったものである。秋葉原とかで適当なのを中古で買っても同じことができると思う。
電源アダプタのコネクタは外形と内径が様々で、これにあったレセプタ(メスのほう)を秋月とかでかってくるのが正統なんだけど、どうせ使えるノートPCも捨ててしまったことなので、コネクタ部分を切ってしまう。コネクタは大抵の場合はセンターがプラスになっているが、逆のこともある。これはアダプタの裏に書いてあるので、それに注意して配線する。
降圧回路って、昇圧と違って比較的安い。Amazon.co.jp: zmart DC1.3-37V 2A 可変 DCDCコンバータ 5個セット LM2596 レギュレータ ステップダウン: おもちゃ 思い立ったが吉日ということで、amazon の御急ぎ便で届けてもらう。aliexpress で買うと100円/個ぐらいなのだが、早くためしたいので。ちなみに、降圧回路のいくつかのレビューを見ると、「壊れる」とか「不良品が」というのが頻発するので、予備を持ったほうが良いらしい。
あと大電流を流したいときは、ヒートシンク付きとかを買わないと熱くなりすぎるのだろうけど、電子工作の場合はせいぜい1,2A程度しか流さないので、これで十分。
可変抵抗をドライバーで反時計回りに回して降圧する。テスターで測って、だいたい9V になるようにしておく。これで、16V から 9V への降圧が完了する。
降圧、昇圧について解説はこっち
DC/DCコンバータ回路設計ガイド(1/10) | 電源ICのトレックス・セミコンダクター(TOREX) https://www.torex.co.jp/technical-support/application-note/design-guide-for-dcdc-converter/whats-dcdc-converters/
パルスでちびちび電流を流してやって、コイルで平滑化というパターンで、ここで時間差が発生するのがミソ。電子回路はやってないけど、電磁誘導とか電磁学を学んでいると解るんだけど、話は別だがオブジェクト指向のメッセージングに関係するときの「時間」絡みもここがポイントになる。設計時にはメッセージングって時間0で伝達するものと考えるけど(特に、MVVM のプロパティとかリアクティブとか)、実際はタイムラグがあるわけで、その時に DB 的なデッドロックとか遅延評価とかが関係してくる。なので、シーケンス図は必至なのだ、という話に繋がる。
16V から 9V と 5V を利用する
せっかくなので、降圧回路を2つかって、モニタ用の9V電源と、Pine64などの基板のための5V を同時に出すようにしてみる。
このモニタのバックライトに9Vが必要なのと、Pine64上で Android 7.x を動かすのに 5V2A が必要になる。程よく、戦闘少女R が動いているので大丈夫そうな感じ。
ラズパイ + Android Things を動かしても大丈夫。こっちは、5V 一本でいける。
これで、電源アダプタから 9V と 5V が長時間に取り出せるようになったので、電池のように電池切れの心配がなくなる。当然、モバイルにする場合はモバイルバッテリにすればよい。
手元のロボットアームも 9V 電源が必要なので後日試してみることにする。
何故コネクタの形状が異なるのか?
これ、5V と 9V を同時に作ってみて分かったのだけど、電源供給自体は両方とも micro USB なので、間違って 9V のほうを基板に差してしまうと基板が壊れてしまう、というミスが発生する。いくら気を付けても、コネクタの形状が同じだと間違って差してしまうことは避けれられない。
この対策としては、基板のほうに保護回路を入れるのもよいのだが基板のコストが高くなってしまう、ならば、間違えないようにコネクタの形状を変えてしまえばよい、ってのがノートPCアダプタの乱立というところだろうか。実は、同じ会社のものであれば同じ電圧のアダプタは同じ形状をしていたりする。また、ものによっては、IBM の電源アダプタが VAIO で使えたりする(同じ電圧であれば)。完全に互換性があるとはいえないけど、相互に似た電圧/電流であれば、同じ形状を使っていたりする。逆に、16V アダプタと、19.5V アダプタの形状は外径と内径が異なり、間違って刺し込めないようになっている。
と、これが理由だと思うんだけど、実際のところはどうなんでしょう?
おまけ、USB ハブに 5V 供給する
上記では、USB ケーブルの micro USB のコネクタだけを残して、反対部分はコネクタに変えていたのだけど、これを基板の数分作るのは面倒くさい、じゃあ、USB ハブに 5V 流してしまえばいいんじゃないか?と思って作ったのがこれ。
USB ハブのオスコネクタのほうを切り取って、ブレッドボードに差し込めるように加工してしまう。プラスマイナスは、あらかじめテスターで調べておく。
で、USB ハブのほうに、通常の USB – micro USB のケーブルを刺し込めば基板(ラズパイや Pine64など)への電力供給が楽になるのでは、ひょっとしたら4つ同時に供給できるかもしれない、と思って造ってみたのだが。
残念ながら、ラズパイ+Android Things の場合、立ち上げりのところで電流が足りなくて落ちてしまう。これはハブの定格を超える電流を流そうとしているからじゃないかなと思う。普通は500mA しか流れないので、ラズパイのように 2A 程度使う場合は無理なのだ。それでも Arduino を連結するときにはまくできるんじゃないかな、と考えたりするのだが。配線の太さが非常に細い(8本ぐらいしかない)ので、あまり大電流を流すと焦げてしまうかもしれない。
そのあたりは注意して。