2年目のプログラミング教室

上板橋あいキッズで、去年(2017年4月)から隔週でプログラミング教室を担当している。板橋の「あいキッズ」というのは、いわゆる「学童」で共働きの家の子供が親が帰ってくるまで「預け」られる場所になっている。預けられるとはいっても、昨今では小学生の半分の親は共働きなので、当然のことながら児童の半分はあいキッズにやってくる、ってなわけで、昔とは違ってかなりの人数が集まってくるわけだ。板橋区の「あいキッズ」制度は、学童単位でそれぞれの民間業者に委託しているので、小学校によってあいキッズ内で行う「プログラム」に差がある(それぞれの業者が何らかを企画するためだ)。そんな中で、上板橋あいキッズを担当している放課後NPOさんから話を請けて「プログラミング教室」ってのを隔週で1時間ほどやっている。

ちなみに無償ではなく報酬は貰っている。「子供のためだから」といってボランティアでは続かないと思われたのと(続く人もいるんだけど、どうも私は続かない)、実際なにがしかの時間が掛かっているためだ。十分とは言えないし、半分ボランティアな感じなんだけど、持ち出さないようには注意している(苦笑)。

以下、いくつか去年の話を書き留めておこう

ノートパソコンを用意して貰う

特に Scratch がという訳でもなかったのだが、念頭にはあったのと、できれば Python とかを教えたかったのでノート PC を用意して貰うことにした。ひとり1台が望ましいのだが、最低限でも2人で1台が使えるようにしたい。募集人数もそれに絞って欲しい旨を伝えて、中古のノート PC を購入して貰う。予算が潤沢にあれば(都なり区なりから出して欲しいよね)新品とかを買えるんだろうが、そうもいかないので、中古で1.5万円程度の Windows 7 を購入して貰う。これ、こちらで代理で探してもいいのだけど、その費用は貰っていないのであいキッズ側で探して購入して貰っている。

最初は8台からスタートしたと思う。機種はばらばらだが、ほどよく大き目のノートPCが用意できて、無線LANを使えるようにする。…が、ここで問題があって、プログラミング教室をやる部屋があいキッズ内の無線が届かない位置にになっていて、一応ブースターを購入&設定して貰ったものの、あまり接続状態がよくない。なので、初めの2回はブラウザでの Scratch だったが、急遽ダウンロード版の Scratch を使うことにする。学校の教室で Scratch をするときも同じ問題が発生するし、無線ルータの状態によっては人数分(ひとクラス30名とか)一斉に繋げると接続状態が確保できなかったりするので、今後も課題になる。

ただし、ネットワークが全然駄目というわけではなくて、個人持ちの無線ルータの設定をしているので本家の scratch.mit.edu に繋げないこともない。ただし、一斉に繋げたり大量にダウンロードするとパンクしてしまうので、「スクラッチのサイトだけ」という限定にしている。つまり、Youtube とかは駄目。即座に、プチンと切ることにしている。そこはルールだからね。

実に騒がしく統率できない

あいキッズなので、3年生から6年生までを対象にしている。初年度ということ双方ノウハウがないので、半年ぐらいは様子見な感じで進めていた。ちなみに、本来は1年単位の契約なんだけど、撤退しやすいように半年契約にして貰っている。

私自身、社内研修とか勉強会での発表とかをこなしているので、解説とか講師っぽいところは慣れているのだけど、蓋を開けてみれば小学生3-6年生には通用しなかった。というか、学校の教室で教えるようにはいかんわ、これは、な感じなスタートであった。これにはいくつか理由があるのだけど、いわゆる発達障碍児が3人ほど含まれていたのと、プログラミングのような「面白そうな興味のあるもの」だと騒がしくなるのは当然で運動部のようにはいかない。授業っぽくやろうかという話もあったのだが、到底無理なことがわかったので、それぞれで自由にやらせる/やってもらうことにした。

最初の思惑としては、プリントを配って解説をして、それに沿ってスクラッチで作ってみる、そして半分は遊びとか思っていたものの、無理無理。たぶん、中学生か高校生ならば「学習するスタイル」ができているのだが、小学生ではまだまだで、騒がしいことこの上ない。

実はプログラミング教室に参加する場合には何がかのお金を取ることになっている(300円ぐらいだったか)。印刷物の問題もあるけど、参加人数を制限したかったのと、なにがしかのお金が払って「プログラミング」するならば、親もなんらかの形で真剣になるだろうという思惑であるが、そうなったかどうかは定かではない。ちなみに、ひとり300円何某の分は私は貰っていない。印刷物のプリントアウトはあいキッズ側に任せたかったのと、講師料がちょっと増えたぐらいでは半分ボランティなのは変わらないからだ。まあ、気分的にも楽なので。

そんな訳で、プログラミング教室に出席させるにはなにがしかのお金を払っているので、プリント代として返そうという訳である(これは、区への申請を通すためでもある)。スクラッチの説明やらブロックの説明やらを書いたプリントを私が2,3枚で作って、隔週で印刷して貰っている。

半年過ぎたら、人数が半減した

前期(10月頃)までは、16名体制だったのだが、後半になって8名位に減った。いわゆる、面白くないからやめたのだが(途中でおもしろくないから来なくなった子もいる)…まあ、営利業務ではないので、半分に減ってちょうどパソコンの台数と子供の数が等しくなったので結果オーライというところである。

おもしろくないの理由のひとつとして、課題が簡単すぎて何をやっていいのかわからない子と、課題をほっぽっといて絵とか好きにやっていきた子が、混在している。16名は抱えきれない(補佐で1人ついて貰っているけど)のと、本格的なプログラミング教室(月謝が1万円ぐらいのやつとか)や CodeDojo とは違うので、子どものモチベーションは様々だ。そして、あいキッズ側の主目的としては「プログラミングを学ぶ」のではなく、「安全に子供を預かる」なので、それに沿うことにしている。ほかにも、将棋教室とか音楽教室とかサッカー教室なんてのもあるので、プログラミングだけではないのだから、気に入らなかったら他のところで遊べばよい。

と割り切ることにして、後半は

  • 20分ぐらいだけ課題をやる
  • 残りの時間は、Scratch で遊ぶ

ことにした。ちなみに、課題は Scratch の簡単なプログラムをあらかじめ私が書いておいて、それ改造するという手順にしていた。いわゆるリミックスという奴なのだけど、今年はサンプルを作ることをやめている。というのも、サンプルを作るとそれを動かすだけで満足しちゃうんだよね。まあ、ゲームを動かすとかそれはそれでもパソコンに触れる(キーボードを打つ、マウスを動かす)こと習熟できるのだけど、もうちょっと自分だけでやってほしいのと、個々人で学習度合いは異なるのだが、子ども同士で教えあうほうが良いみたいだから。

今年は課題シートを作った

なんやかやと、去年はサンプルコードを作っていたので、かなり蓄積ができた。遊ぶ子はそれを眺めて貰うとして、自分で学習したい子のために課題シートを作ってみた。プールとか縄跳びの級みたいに、ちょっとずつ目標をこなしていく感じ。

image

これも、集まった子たちの性格にもよるんだろうけど、男子は完全無視というか適当にぱらぱらやって飽きてしまって Scratch ゲームを探してやっている(野球とバブルを消すゲームがブームだ)が、女子3名が熱心に課題をこなしているという具合だ。そこは男女の性格があるのかどうかわからないし、5年生の男子はプログラムが初めてなので熱心にブロックを積み上げているし、4年生の子は既に Scratch を知っているので勝手に拡張してあれこれやっている。まあ、それはそれでよい。

ちなみに、プログラミング教室の子ども面子はごっそりと入れ変わっていて、また最初から Scratch でということにしている。まあ、隔週だし、ほどよく出来たら家でもできるしね。あと、6年生は卒業してしまうし、5年生は中学受験があってというパターンもある。なので、1年周期で考えるといいんじゃないかと思う。

ちなみに、去年と今年のサンプルは 1-1 矢印キーで上下左右 な感じで作っている。去年の一番人気は いらいらボール だった。

Scratch 以外を導入したい

去年からずっとタイミングを見計らっているのだけど、Arduino か Python を導入したいとは思っている。のだが、それは「大人の都合」でしかなくって、子どもの興味/楽しみからしたら隔週でノートPC使って Scratch ゲームで遊ぶほうが楽しいかもしれない。

と、去年の最後に Arduino とサーボモーターを使った電子工作モノを持っていたところ、6年生の子が Arduino IDE でバシバシとコードを打っていたんだよね。一度、書いてあるものを写経っぽくキーボードで打ち込むのは、それはそれで楽しい作業らしい。そう、昔 BASIC マガジンからマシンコードを打ち込んだ感じとか、N88Basic のゲームを雑誌から打ち込んでいる感覚なのかもしれない。

なので、1,2台に Arduino IDE を入れて、電子工作ができるコーナーを作るのもよいだろう。手元には Aliexpress で購入した互換 Arduino があるし、ブレッドボードとかLEDとか妙に大量に手元にあるので。

カテゴリー: 雑談 パーマリンク