和風ペンタトニックとブルーノートは酷似している

プログラミングするときの手癖もあるのだから、ギターで作曲をするときの手癖があるだろうと感じで、あれこれやっていたらやっと原因が分かったという話です。

和風ペンタ(日本五音階)については下記を見てもらうことにして(’80年代は YMO のテクノブームがあったので、そのあたりから流れたところが真相っぽいですが)、

和風ペンタトニック・スケール(ヨナ抜き)~日本人の深層意識に響く民謡・演歌な音階:のびやかな暮らし
http://bossanovaday.hamazo.tv/e5967160.html

同じく ‘80年代の頃にギターを覚えたときに、何故かブルーノートのスケールを弾いているのに途中で演歌っぽくなるのが不思議でした。

 

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でもって、改めて開放弦を活用して書き出してみたのがこれ。コードを押さえてじゃがじゃがやらないので、開放弦なんか使わないのだけど、ブルーノートで E コードで弾いたときと、和風ペンタの G コードがほぼ同じなんだな。なので、途中で三連符を打ったときに、ブルーノートから和風ペンタになって、何故かブルースから演歌に移行してダサい感じになってしまうのです。

ジャズとかブルースは普通、G か A で演奏するので(A のほうがフレットが狭くて少し抑えやすい)のと、E はカントリーでよく使われる(開放弦をじゃかじゃかやる)。日本人以外には、和風五音階はなじみがないので、そっちには勝手に動かないけど、日本人には民謡が染みついているから、そっちにスライドしてしまう。1音半ずらせばいいので、あれこれと曲を弾いている間(ベース音がわからない間)は、ブルーノートなのか和風ペンタなのかが区別がつかないわけです。そして、どちらかのベース音が響くと、その瞬間にブルーノートになったり和風ペンタになったりする。

この部分は、実際に音を聴かないとわからないので、またあとで。

服部良一から渡辺岳夫の流れで完成された?

仮説ですが、ジャズやブルースを持ち込んだ服部良一が作った民謡や東京ブギウギを踏まえて、渡辺岳夫が作った「アタック No.1」や「魔女っ子メグちゃん」、「キューティハニー」を通して、その後のアニメ曲が作らてしまったのではないか、と考えています。まあ、最近のアニメの主題歌は JPOP だったりロックだったりするので、そこから外れていますが、いわゆるアニメっぽくない主題歌(ロボット系とかヒーローものは別)の感じはそこから出てきているのかなと。

編曲した後は別なんですが、主旋律を追っていくとギター特有の手癖が出てきます。運指の都合と、弾きやすさの都合から、ああやっぱりこの装飾音が効いてくるってな感じです。このあたり、同時期のアニメ曲と戦前からのジャズ/ブルーノートの流れを追っていこうかなと、主旋律だけを流してみたり。

人工知能的に和風ペンタを眺める

ここで、人工知能的に和風ペンタを眺めてみます。この話は、Electroharmonix フォントが何故、日本人に読めないのかを Tesseract-OCR で紐解く と同じです。Electroharmonix フォントは、カタカナをもとにしたアルファベットフォントなのですが、カタカナを知っている日本人には「カタカナ」に見えてしまって却って読めない。逆に、カタカナを知らない日本人以外にはアルファベットとして読める(と同時に、異国の「カタカナ」という文字にも似ているように思える)という訳です。OCR 学習をさせると、当然ですがカタカナを覚えさせたときには、カタカナにマッチさえつつ Electroharmonix フォントを読もうとするし、カタカナを教えずにアルファベットだけならば、アルファベットとして読もうします。

同じことが、ブルーノートと和風ペンタにも言えて、日本の民謡で育った日本人(育ってないひともいるからw)には、ブルーノートを弾いても、和風ペンタとごっちゃになってしまう。逆にそもそも日本の民謡を知らなければ、単に不思議な音階でしかなくてブルーススケールはブルースケールのままです。

試しに、ブルースの G コードでたらたらとフリージャズっぽくやっている間に、和風ペンタのヨナ抜きを入れると一気に演歌に聞こえてきます(リズム的にそうするのもあるけど)。でも、G のベース音を強調するように音を入れ替えるとブルースになるという不思議…というか、本能的にそうなってしまうところがあります。

で、機械学習で絵画とか文章はあるけど、音楽はちょっと難しいですよね。それらしく聞こえるとか、曲がいいとか悪いとか、そういうのはどういう「評価関数」を作るのか、どうやって「聴く」のかが思い描けないところがあります。Jukedeck – Create unique, royalty-free soundtracks for your videos. というのがあって、ある程度の曲調(コード)と転回だけ合わせておけばイージーリスニングっぽいものが量産できます。おそらく、既存の曲あるいは譜面を入れて、ブルースっぽくするとか演歌っぽくするのも可能かな(スケールとリズムを合わせれば、それっぽく聴こえるので)と思われるのですが、では、そこで「ブルースのように聴こえる」あるいは「和風ペンタのように聴こえる」とはどういうことか?という点が気になりますよね。

和風ペンタとブルーススケールの混在は日本人にしかないのだから、「日本人的な耳」を作って評価関数を作れば「既存のブルースが和風ペンタのように聴こえてダサい」と評価だろうし、「欧米人の耳」を作れば「ブルースだけに聴こえる」という感じになるかもしれません。このあたり、評価関数の取り方≒学習アルゴリズムになるので、将棋ソフトと同じようにソフトとによって戦略が異なる(将棋の場合、勝ち負けが明確なので、トップ以外の評価が難しいのですが)≒人によって指し方が異なる≒好みがある、と言えるでしょう。

ってなところまで考えたのですが、続きはもう少しブルーススケールとカントリーを演奏ってみてから。あと戦後のアニメ曲も。

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