IIS7.0 基本のき(補講3)

補講の3回目です。

IISマネージャで、仮想ディレクトリを追加する方法ですが、まずは「仮想ディレクトリ」とは何かを説明しましょう。

通常、IISのルートディレクトリは、c:\inetpub\wwwroot ディレクトリになっています。このフォルダに、c:\inetpub\wwwroot\moonmile のようなフォルダを作って、

http://localhost/moonmile/

のようにアクセスできるようにします。

ただし、このドライブはCドライブにあるので、常に Windows のシステムフォルダと同じになります(変更は可能ですが…)。なので、アプリケーションのフォルダを別のドライブにリンクさせることで HDD の容量を分散させたり、HDD アクセスを軽減させたりできます。

例えば、

d:\moonmile というフォルダを http://localhost/moonmile/ に割り当てようとすれば、

フォルダを右クリックして「仮想ディレクトリの追加」を選択します。

<008>
20100303_008

ダイアログで、パスと、物理フォルダを設定します。

<009>
20100303_009

これで、http://localhost/moonmile/ にアクセスすると d:\moonmile が使われる訳です。

同様に、Webアプリケーションの場合も、「アプリケーションの追加」を選足して、フォルダを変えることができます。

<010>
20100303_010

ただし、ASP.NETを使うWebアプリケーションの場合、HDD アクセスに関しては注意点があります。

ASP.NETのソースコードは、そのまま実行されるわけではなくて、一時的コンパイルされて実行されます。このコンパイルされた実行ファイルは、

ASP.NET Web サイトのプリコンパイルの概要
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/399f057w(VS.80).aspx

にあるように、「%SystemRoot%\Microsoft.NET\Framework\version\Temporary ASP.NET Files」のようなフォルダに置かれます。ASP.NET 2.0 の場合は、

C:\Windows\Microsoft.NET\Framework\v2.0.50727\Temporary ASP.NET Files

のフォルダになります。
# vista の場合は、このフォルダに一時的なコンパイルファイルを確認できるのですが、
# Windows Server 2008 では DOS プロンプトでは確認できません。

このように、ASP.NET の場合はプリコンパイルされたファイルが一時的に保存されるので(aspxファイルを編集すると、更に新しいファイルが作成されます)、このままでは Cドライブに負担を掛けます。
最悪の場合、Cドライブの容量が足りないために、システムがダウンします。

これを防ぐために、一時フォルダを変更することが可能です。

ASP.NETカテゴリの【.NETコンパイル】のアイコンをクリックすると、

<011>
20100303_011

この一時ディレクトリを変更できます。

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