見積もり依頼作成ツールの試作

ベータ版ではありますが、非IT業種向けの「見積もり作成依頼書ツール」 https://omitt-chan.vercel.app/ を公開しておきます。非IT業種向けということで、いわゆる発注者向けのツールです。

見積もり依頼書とは?

「見積もり依頼書」というのは、発注者がIT業者に見積もり依頼をするときの項目を書き連ねたものです。受注側が作成する要件定義や設計書に先立つものですね。普通は開発コンサルタントが発注会社に居て代筆をしたり、発注会社でのIT部門が作成したりするものです。

大手のIT会社だと開発コンサルタントが居て、営業が居て、という具合になりますが、20人程度の中小のIT会社だったり個人開発だったりすると、そういう風に作業分担ができるわけではありません。営業だったり要件のまとめだったり予算の見積もりだったりをひとりでこなすことが多いです。そんな中で、非IT業種である「見込み客」(まだ受注が決まっていないので、見込みでしかないです)に対して、中小や個人の場合はそんなに時間を掛けることができません。

時間を掛けることはできないのですが、営業活動はしないといけないよね、というジレンマがあります。

20年程前であれば、お客さんもITに詳しくなくてパソコンとインターネットがぎりぎりという方も多くいたのですが、最近であればスマホを使うは当たり前で、仕事でパソコンを使うし、インターネットで検索をするのは普通になってきています。ならば、ちょっとした「見積もり依頼者」ならば、見込み客のほうで書いて貰えるかもしれません。というのが、このツールの発想元です。

中小/個人の非ITとITをつなげる

予算が潤沢であれば、中小のIT業者に依頼をかけて1000万円以上で見積もりを掛けることも可能なのですが、実際はそうはいきません。せいぜい数百万、場合によっては100万以下のシステム開発からスタートするところでしょう。一方で、非ITとITをつなげるマッチングサイトもいくつかあるのですが、価格が安すぎるのが難点です。受注をする IT サイドから言えば、100万以下の案件はなかなか動きづらいところがあります(営業活動や見積もり作業も込みとなるので)。まして、10数万円ていどではITアルバイトのようなものです。実際に、小規模の作業であれば、ITアルバイト感覚で受注することもよいのですが、実はそれだけだと採算が合いません。

  • 発注者(非IT業者)からは、100万円程度で依頼を掛けたい。スケジュールは厳しくないが、それなりに品質を上げて欲しい。
  • 受注者(IT業者)からは、単発の仕事ではなくまとまった仕事で受けたい。タスクをまとめて、マルチプロジェクト/プロセスにして効率化しておきたい。

この2つを同時に実現することを考えます。そうすると、発注者としては、いくつかの不安点を解消する必要がでてきます。

  • 見積もりをして貰うときに、ある程度の予算を知りたい(IT業者に内緒で)
  • むちゃくちゃ安くなくても良い。しかし、1000万円を超える予算は取れない。
  • ITには詳しくないが、スマホのやブラウザの雰囲気は知っておきたい(IT業者には内緒で)

というように、いちいちIT業者に見積もりの問い合わせをしたり開発コンサルにお金を支払ったりしなくても、大まかな予算ぐらいは把握したいところです。いわゆる「市場的な相場はいくらかな?」というところですね。

現在、仲介業者のお陰で契約社員や派遣の給与が低く抑えられてしまっています。もちろん、契約社員や派遣でのよいとこはある(ピンポイントで働く、派遣会社が仕事を斡旋してくれるなどなど)のですが、中小や個人でのIT業者の場合は、あえて仲介を挟まないのであれば、挟みたくないのが本音でしょう。

  • ある程度の開発プロジェクトのマネジメントができるIT業者(中小はそれ)
  • 特化した技術を持ち、なんとか非IT系にリーチさせたい(個人開発者や数名の会社はそれ)

というIT業者と、非IT業者をつなげるのが目的です。

本ツールでできること

基本的に発注者(非IT業者)が使うツールです。

  • 作成した要件を要件入力チャットに入れていきます。まとまってなくて構いません。やりたいことを書いてくれれば ok です。
  • AI がチャットの内容を確認して、要望/機能要件/非機能要件/制約条件などの分類してくれます。
  • ある程度まとまったら「システム構成を生成」ボタンをクリックして見積もり依頼書を作成します。文章は、IT業者が理解しやすいように、システム要件などで分類されています。システムコンポーネントなどIT業者にしか伝わらない専門用語が使われていますが、大丈夫です。相手のIT業者ならわかってくれます。AI が IT業者向けに必要な情報を補います。

「見積もり依頼書」をコピペして、知り合いのIT業者にメールで送るか、クラウドワークスなどのマッチングサイトの要件と部分に貼り付けるか、入札に利用するか、してください。利用は自由です。

真ん中の「構造化要件」の内容は、ファイルに保存ができます。途中まで書いたらダウンロードして保存しておいてください。「読み込み」ボタンをクリックすると、保存したファイルを読み込んで、構造化要件を復元できます。

要件入力チャットの例

例を出しておきますので、コピペして使ってみてください。

https://omitt-chan.vercel.app/

例1 メール配信の自動化


- メールを配布するツールを作りたい
- 宛先はあらじめ Excel に登録しておいて、指定した時刻に配布できるようにする。
- 配布先はログに残しておく。
- 配布先にはチェックボックスがあって、配布するかどうかを選べるようにする。
- 毎日指定時刻に、定型文を送信する。このとき宛名は、Excel に記述した名前を使う。
- 配布する宛先は500件ぐらいある

見積依頼書

見積もり依頼書

【プロジェクト概要】
Webアプリケーションの開発をご依頼いたします。

【システム要件】
■ 機能要件 (6件)
・メール配布ツール: メールを配布するツールを作成する。
・宛先管理: 宛先はあらじめ Excel に登録しておき、指定した時刻に配布できるようにする。
・配布先ログ管理: 配布先はログに残しておく。
・配布先選択機能: 配布先にはチェックボックスがあって、配布するかどうかを選べるようにする。
・定型文送信機能: 毎日指定時刻に、定型文を送信する。このとき宛名は、Excel に記述した名前を使う。
・配布件数管理: 配布する宛先は500件ぐらいある。

■ 非機能要件 (0件)


■ 制約条件 (0件)


【技術仕様】
■ アーキテクチャタイプ: web
■ デプロイ環境: cloud

■ システムコンポーネント (5件)
・メール配布ツールフロントエンド (frontend)
技術: React, Bootstrap
概要: ユーザーがメール配布を管理するためのインターフェース。宛先の選択や定型文の設定が可能。

・メール配布ツールバックエンド (backend)
技術: Node.js, Express, Python
概要: メール配信ロジックを処理し、データベースと連携するAPIを提供。

・宛先管理データベース (database)
技術: PostgreSQL
概要: 宛先情報や配布先ログを管理するためのデータベース。

・クラウドインフラストラクチャ (infrastructure)
技術: AWS, Docker
概要: アプリケーションをホスティングするためのクラウド環境。

・セキュリティ対策 (security)
技術: OAuth2, SSL/TLS
概要: データの保護と不正アクセス防止のための対策。

■ ネットワーク要件
・インターネット接続が必要
・APIレスポンスは1秒以内

■ セキュリティ対策
・ユーザー認証と権限管理の実装
・データ暗号化とバックアップの実施

■ スケーラビリティ考慮事項
・負荷分散を用いたスケーラビリティの確保
・データベースのリードレプリカを利用した読み込み負荷の分散

【その他】
ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお声がけください。

例2 炉心計算と制御棒配置の比較研究

- 原子炉の制御棒の配置比較システムを試作する
- 拡散方程式を使い、原子炉内の中性子の分布を計算する
- 制御棒の配置を変更することで、出力の中性子の分布を調整できるようにする
- 制御棒の配置パターンを色々変えた状態で、臨界ができるかチェックする
- 配置パターンによりシミュレーションデータを出力する
- 各実験により、シミュレーションデータを比較できる機能を持つ
- ログイン機能を持ち、各ユーザーが実験データを別々に保存できる

見積依頼書

見積もり依頼書

【プロジェクト概要】
オンプレミスシステムの開発をご依頼いたします。

【システム要件】
■ 機能要件 (7件)
・原子炉制御棒配置比較システム: 原子炉の制御棒の配置を比較するシステムを試作する。
・中性子分布計算: 拡散方程式を使い、原子炉内の中性子の分布を計算する。
・出力調整機能: 制御棒の配置を変更することで、出力の中性子の分布を調整できるようにする。
・臨界チェック機能: 制御棒の配置パターンを色々変えた状態で、臨界ができるかチェックする。
・シミュレーションデータ出力: 配置パターンによりシミュレーションデータを出力する。
・データ比較機能: 各実験により、シミュレーションデータを比較できる機能を持つ。
・ユーザー認証機能: ログイン機能を持ち、各ユーザーが実験データを別々に保存できる。

■ 非機能要件 (0件)


■ 制約条件 (0件)


【技術仕様】
■ アーキテクチャタイプ: on_premise
■ デプロイ環境: on_premise

■ システムコンポーネント (5件)
・Webアプリケーション (frontend)
技術: React, HTML5, CSS3
概要: ユーザーが原子炉制御棒配置を操作・比較するためのブラウザベースのインターフェース。

・シミュレーションエンジン (backend)
技術: Python, Flask, NumPy
概要: 中性子分布計算や臨界チェックを行うロジックを実装したサーバーサイドコンポーネント。

・データベース (database)
技術: PostgreSQL
概要: ユーザー情報やシミュレーションデータを保存するためのリレーショナルデータベース。

・サーバーインフラ (infrastructure)
技術: Linux, Docker
概要: システム全体をホストするための物理サーバーまたは仮想サーバー。

・ユーザー認証システム (security)
技術: OAuth2, JWT
概要: ユーザーのログイン機能を提供し、データのセキュリティを確保する。

■ ネットワーク要件
・低遅延のネットワーク接続が必要
・セキュアなVPN接続を使用して外部からのアクセスを制限

■ セキュリティ対策
・ユーザー認証とアクセス制御の実装
・データ暗号化を使用して機密情報を保護

■ スケーラビリティ考慮事項
・シミュレーション負荷に応じてサーバーリソースをスケールアップ可能
・データベースのシャーディングを考慮し、大量のデータに対応

【その他】
ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお声がけください。

今後の拡張予定

見積もり依頼書までできたら、発注側(非IT業者)で、ざっとした要件定義やざっとした概要仕様書まで作っておきたいところです。

依頼書や要件定義、かんたんな概要設計をもとに、AI で見積もりを立てます。それのベースに、スケジュールや相見積を作成するところまで持って行きます。

その後に、発注者(非IT業者)と受注者(中小のITや個人開発者)のマッチングを考えたいところです。

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