ePubコンバータ作成(準備)

電子書籍を開始する前に、システム屋さんとしてはePubを勉強しておこう、ということで、いくつか調査中。

  • テキストからePubを作成する。
  • 画像からePubを作成する。

著作権、不法コピー(海賊版)を防ぐためにはDRM(Digital Rights Management)が必要なんだが、プラットフォーム依存(Kindle、iPhone、iPad、Sony、Adobeなど)なところもあり、流通依存(Amazon、Appleなど、漫画onWeb)なところもある。将来的には課金を考えないといけないのだが、ひとまずシステム屋としてはインフラ主導で考えてみよう。

フリーで作成、流通、PCやiPadなどで閲覧、を想定してフリーなものを探してみると、

iPadビジネスを先取り!EPUB関連フリーソフト5選http://builder.japan.zdnet.com/sp/opensource-for-developer2010/story/0,3800103086,20408786,00.htm

で、フリーのビューア&作成ツールが選べる。ひとまず手軽だろうと思われる Adobe Digital Editions をダウンロードして導入してみる。ページ送り1枚なので見開きとはいかないが、横書きならばこれで十分だろう。

20100504_04

さて、フリーなコンテンツからePubというと、青空文庫からコンバートできるのがいいので、Text2ePub 0.8(β)を試してみる。青空文庫から直接ダウンロードできたりして、版権が切れた本を読むのにいいんだが、、、ああ、何故か私の環境では動かない(悔しい)。

青空文庫 (XHTML) -> ePub変換 なところで、ePubに変換できるらしいんだが、ああ、Bookmarlet が動かん。

ん~、どうしたもんか、と悩んだところ、そうか、試しに epub を zip に変換して中身を覗いてみればいいのだ、ってことで zip を解凍してみる。なるほど、見たことがあるファイルっぽいね、単なるXHTMLファイルが並んでる。

というわけで、いくつか手作業で修正してみて、zip 圧縮、拡張子を「epub」に変えて、先の adobe digital Editions で読むと、うん読めます。この位ならば、perl スクリプトを組むだけでも十分ですね。

 

という訳で基本に返って、仕様っぽいものを読んでみる。

日本語Epubブックサンプル
http://www.kobu.com/docs/epub/index.htm

.epub eBooks Tutorial
http://www.jedisaber.com/eBooks/tutorial.asp

ここのチュートリアルは英語しか通さないので、日本語を通すようにします。その手順をざっと書いていきますね。

  1. チュートリアルから、sample.epub をダウンロード
  2. sample.zip にして展開する。
  3. OEBPS/chap01.xhtml を開いて、
    先頭の encoding を “iso-8859-1″ から “UTF-8” に変更
    <meta http-equiv=”Content-Type” content=”text/html;charset=UTF-8″ /> を追加
    body の何処かに日本語を書いておく。
    そして、UTF-8 で保存
  4. OEBPS/stylesheet.css を開いて

    @font-face {
      font-family: “ipampmona”;
      src: url(font/ipamp-mona.ttf);
    }
    body {
      font-family: “ipampmona”;

    な感じで追加。これは、日本語のフォントを埋め込むためで、ipamp-mona.tff は IPA でダウンロードするか、先の「青空文庫 (XHTML) -> ePub変換」から、サンプルをダウンロードして、展開した後、font/ipamp-mona.ttf を引っこ抜きます。

  5. なわけで、フォントは、
    OEBPS/font/ipamp-mona.ttf
    にコピーしておく。
  6. これを zip で圧縮します。
    圧縮するときは、sample のフォルダを圧縮するのではなく(これでしばらく悩んだ)、
    META-INF
    OEBPS
    mimetype
    を選択した状態で圧縮します。

    20100504_05

  7. 拡張子を zip から epub に変換します。
  8. Adobe のビューアにドロップします。

な感じで、epubをPCで見ることができます。

 

内容のコンテンツは、拡張子が xhtml になっていますが、これだと IE とかのブラウザで確認しづらいので、html にすることができます。拡張子を変更した場合は、content.opf ファイルを書き換えます。

manifest/item のところで、IDとファイル名(href)が指定してあるので、これをちまちま修正。

<item id=”chapter01″ href=”chap01.html” media-type=”application/xhtml+xml” />
<item id=”chapter02″ href=”chap02.html” media-type=”application/xhtml+xml” />

な感じで書きかえるとブラウザで確認しつつ、html を修正ってことができます。

 

というわけで、ビューアが縦書きをサポートしてくれれば、自前のスクリプトでepubファイルを作って小説を読むってことができます。

同様に、画像の埋め込みも非常に簡単なので、同人誌をepubにして配布ってのも十分可能です(無料配布ってのがアレだけど)。宣伝用にはいいんじゃないでしょうか。

後は、epub のファイルを作っていて思いついたんですが、Adobleのビューアでは印刷ができるので、PDFの変わりになります。適度にHTMLを使ってページを作成した後に、ツールを使って epub へコンバート、そのまま印刷。配布資料を作成する場合は、HTMLとepubが一度にできるので楽そうです。

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ePubコンバータ作成(準備) への4件のフィードバック

  1. itami のコメント:

    > これを zip で圧縮します。
    > 圧縮するときは、sample のフォルダを圧縮するのではなく(これでしばらく悩んだ)、

    貴重な情報感謝です。有難うございます!!

  2. masuda のコメント:

    そうなんです。この圧縮で半時間ほど悩みました^^;
    小説の流し込みや、スキャナで画像ぺたぺたの場合は、コマンドラインで一発でできそうですね。

  3. 誰でも のコメント:

    「Word To ePub」
    こんなソフトもあるようです。使ってみたらいかかでしょうか。
    アメリカで人気の「個人電子出版」が日本でも市場急拡大、個人でも電子書籍を出版できる時代がやってきます。
    当ソフトの使い方は非常にシンプルで、制作したMicrosoft Office Word文書を1クリックでEPUBファイル出力できるツールです。
    iPad、iPhone、iPod Touch、Sonyリーダー及び他のeBook リーダーでeBooks を読むことがもっと簡単になります。
    動作環境 :MS Excel 2010/2007 Windows XP(32bit),VISTA(32bit),Windows7(32bit)
    ※ 64bit OSは、動作に問題はございませんが、ePub作成は一部手動で行って頂く必要があります。

  4. masuda のコメント:

    情報をありがとうございます。Word2epub は注目してるところで、レイアウトを作るとこが Word なのがいいですよね。専門的なデザイナじゃなくても epub を作って配布したいという用途に特にいいと思います。

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