計画停電でもできるIT屋さんのお仕事法

どうやら、計画停電(輪番停電)が4月末まで続きそうな勢いなので、IT 屋さんとしてはえーッ!!! 一日3時間も停電していたら仕事にならないよッ!!!な状態にならないように、準備をしておきます、の巻。

節電に関しては、使っていないディスプレイ消す、ノートブックで仕事をする、サーバーを落とす、など直接的な方法がありますが、私のほうは設計/実装段階で使える節電ノウハウをお伝えします。

手っ取り早く云えば、XP の40時間勤務を実践するノウハウなんですけどね。

■ペーパープロトタイピングを応用

本式なところは↓な訳ですが、

Amazon.co.jp: ペーパープロトタイピング 最適なユーザインタフェースを効率よくデザインする: Carolyn Snyder, 黒須 正明: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4274065669
今でも役立つ、ペーパープロトタイピングのススメ – Feel Like A Fallinstar
http://www.fallinstar.org/ui/post_104.html

もうちょっと節電できるように範囲を広げます。
例えば、UML 設計とか、データベース設計をしているときにディスプレイと睨めっこをしているのを止めます。一旦、パソコンの電源を落として、紙にプロトタイピングをします。

これ、単なる節電の効果だけじゃなくて、ディスプレイを付けているとメールやらツイッターやらインターネットやらが気になってしまって、他のことをやってしまうので、集中するという点で実に重要です。余計な情報を入れない、気を散らさないという形で紙に書いて、後からオーサリングツールに清書します。

当然、仕様書なんかが電子化されているときはパソコンを見ながらということになってしまうのですが、一部分だけ印刷をしたりしてしのぎます。iPad などのタブレットタイプやノートブックを利用しても効果があがります。要は、メールなどの余計な情報を入れない、見れない状態にすると良いという話です。

■PSP(パーソナル・ソフトウェア・プロセス)を活用する

PSP と言ってもプレイステーションのアレではなくて、パーソナル・ソフトウェア・プロセスの略です。

Amazon.co.jp: パーソナルソフトウェアプロセス入門: ワッツ ハンフリー, Watts S. Humphrey, PSPネットワーク: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4320120132
パーソナルソフトウェアプロセス(PSP)実践講座 ~第1日 自分の生産性・品質を算出する(1/5):CodeZine
http://codezine.jp/article/detail/3937

厳しい開発プロセスですが、時間制限があるときに非常に有効です。簡単なやり方としては、

  1. 最初に予想時間を立てる(1時間程度で)
  2. 実行して、実測値を計測する。
  3. 実測値に合わせて、予想時間を見直す。

という細かい単位で計画を見直します。いわゆる PDCA を短時間(1時間単位)で廻すという感じですね。

仕事/作業に対して集中力を要するので、だらだらした仕事振りができなくなります。ある意味で、非常に疲れるので短期間しかできないし、1日8時間弱が限界です。
ですが、集中して仕事ができるので、効率がよくなります。

停電する前に集中して作業をこなさなければならないときには、この方法は非常に有効です。

■付箋/ストーリーカードを活用する

パソコンで Excel などを使って ToDo 管理をしている場合は、一時的に付箋に書きつけるとよいです。というか、この手の使い捨ての ToDo なんかは付箋やストーリーカードに書きつけるのが、次々と仕事をこなす時に便利です。

付箋やストーリーカードについては、予定時間や完了予定日を書き込んでおきます。そして、仕事が終わったら外して捨ててしまいます。
この捨てるという行為が、結構すがすがしく、次々と仕事をしている雰囲気を生み出してくれます。

付箋に関しては、半日以内でできる仕事を書き込みます。
このリアルな感覚は、ディスプレイから離れて仕事をするときに非常に良いです。

■CCPM/GTD を活用する

CCPM(クリティカル・チェーン・プロジェクト・マネージメント)や GTD(Getting Things Done)を利用します。

Getting Things Done – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/Getting_Things_Done
誠 Biz.ID:Getting Things Done(GTD)まとめ
http://bizmakoto.jp/bizid/gtd_index.html

GTD に関しては、オンラインツールが多くあるのですが、最初は紙のノートに書き出したほうがよいです。思いつく限り、ボールペンで書き出すと、キーボードで打ち込むのとは違った感覚で書き出せます。

CCPM も GTD も、優先順位を付けて、優先度の高いもの、期限が近いものからやっていくというのが同じ方法です。優先度が高いものをこなすと、優先度が低いものはやらなくても良いという状態になることがあります。それが、CCPM, GTD の狙いです。

CCPM のタスク抽出や連携は、パソコン上でやるよりも大きな紙の上に付箋を貼りながらやったほうが見通しが良くなります。なので、これはオフラインの仕事に向いています。

■技術書を読もう

この際ですから、節電関係で余った時間を技術書を読むことに使っては如何でしょうか?地震の情報はインターネットで最新情報を収集することができるように
なりましたが、情報におぼれているだけで、何もできなくなっては仕方がありません。。。と言いますか、情報が過多になると人間の頭は働かなくなってしまいます。コンピュータ用語で云えば、スレッドが多くなりすぎて、本来のタスクに使う CPU が食いつぶされてしまうという状態ですね。なので、地震情報を得るのは、別途ラジオなり、定期的にテレビなりで確認するようにして、本来の自分の仕事に専念することができる状態を作ります。

阪神大震災の時には、私は大阪にいて午前4時にパソコンを弄っていました。六畳一間の下宿で、2 つの本棚が倒れたのですが、幸い寝ていなかったため(苦笑)本棚の下敷きになることは避けられました。

その後のテレビには、ちょっとばかし怒りを覚えたわけですが、本棚の本を片付けて本の整理をしてズレた机を直して(30センチ以上ずれていました)、1日経った後に日常的に大学に行きました。
停電、断水を経験したのですが、できるだけ早く日常の感覚を取り戻すことが第一です。
その上で、ボランティアなり募金なり物資支援なりをしてくださると良いかと思います。

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と、いちソフトウェア開発者としてできることはここまでです。
津波後の処理、東京の列車の復旧、福島原発(私は原子力学科卒なので、一般の人よりは詳細がわかります)など、問題はたくさんありますが、非難/批判よりもまずは、一歩ずつ進むことを大切にしては如何でしょうか?

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