[win8] パンダ福笑いのインターフェースを考える

[win8] パンダ福笑いを作るために ManipulationDelta を使う | Moonmile Solutions Blog
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の続きをざっくりと。プログラム的には、ManipulationDelta あたりを使って作るので、パーツのドラッグは簡単にできます。なぜ、手あるいは指でドラッグすることを考えるのかというと、iPad の初代を買ったときの動機から変わっていないのですが、

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  • ディスプレイに直接タッチするのは、「直感的」である。
  • ディスプレイの操作に「記号」を持ち込まない。

というのが、子供用(あるいは幼児用)のインターフェースを考えるときの基本かなと感じています。うちの小2の娘は、生まれたころからパソコンがあるわけで、そのあと保育園のころから iPad が出てきたという感じです。つまりインターフェースとしては、マウスで画面を操作するの次に、タッチオペレーションが入るわけです。

マウスを使ってパソコンを操作できる時期ってのは、内田春菊の「わたしたちは繁殖している」を読むと分かる通り、2歳児でもできます。うちの場合は、3歳ごろからできたかなって感じです。マウスだと、マウス自体とマウスポインターが離れているから、という話が多いのですが、子供のとっては、

  • 無意識にマウス自体と、マウスポインタの動きを結びつける。

な感じで「無意識に」結び付けています。車のハンドルが、車自身を左右に動かすと直感的にわかる通り、マウスを動かすとマウスポインターが動くというのは比較的わかりやすいようです。マウスのクリックも意外とわかりやすいみたいです。手が小さいので、マウスボタンを押すときにマウス自体が動いてしまうのが工学的な難点ですかね。

ところが、もっと3歳児をみていると、もっと問題があって、

  • ボタンなどに書かれている「記号」がわからない

というのがあります。記号というのは「START」とか「STOP」とかのアルファベットもありますが、「1」とか「0」とかも記号です。実は「○」はわかりやすいのですが、「×」がわからなかったり「△」が難しかったりします。「×」がわからないので、ウィンドウを閉じる、という操作がなかなか覚えられないのですね。このあたり「記号」≒「言語」のところに関連していくので、年齢があがってきて、ひらがなを覚えると、「×」の意味がわかってきます。なので、目の前にある「記号」が大人にとって、どれだけ簡単であっても、それは「記号」としての「意味」がある限り、言語的に通じないために、コンピュータを操作できないというジレンマに陥ります。これは、Windows でも Mac でも同じみたいです。

その中で比較的わかりやすいのが、

  • 色を配置させる
  • ピクト(簡略化された絵を利用する)

色のほうは、まずは安全のために「信号機」を覚えさせます。赤がとまれ、緑あるいは青ですすめですね。このあたり、各国で色に対する「意味」が異なるので、それに沿う必要はないのですが、おおまかに「色」付きのボタンを配置させると、「何色のボタンを押す」ということで教えやすいのです。

もうひとつは、ピクトを使います。うちの2歳児はなぜかパス亭に表示されている「バスの絵」と実際のバスを即座に結び付けました。形が似ているという意識のなかの「似ている」を即座に判断するわけです。本物の写真から、ある特徴を誇張させたもの、ある特徴を取り出したもの、という具合ですね。

この「色」とか「ピクト(特徴の漫画化)」のところは、実は「記号」よりも成長の前段階にあるので、4歳児ぐらいまでには最適だと思っています。ある程度、ひらがなが「ひらがな」であることを理解して、「読む」という行為と別のものに置き換えて「理解する」という行為ができると、デザイン的な記号がわかってくるのですが、それ以前は、それが「記号」かどうかすらわからないのです。なので、子供向けには、下手なデザインをするよりも、「色」なり「ピクト」なりが重要かなと。

このあたり、もう別の日にもうちょっと続けます。

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