iPhone前とiPhone後、かつiPhone以外の「後」を考察する

常々「Windows Phoneには電話機能はいらない、WiFi に特化して軽量/バッテリーの持ちを考えて win アプリが導入できれば即売れる」と話したりしているのですが、サムスンと apple の訴訟で提示した apple がそれを示しているという意味で、

iPhone前とiPhone後・・・ | Blog!NOBON
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私の場合、はじめての apple 製品が ipod で、その後が初代 iPad という、iPhone を無視した経緯があるので、かつての iPhone がどれほどいまいちだったのかは分かりませんが…少なくとも、iPhone の形状(全面に静電式タッチディスプレイ)という方式を貫いて、おらくそのまま消え去るであろう(十年後位にはなると思うのですが)というスタイルは、iPhone というスマートフォンの形状は「誕生と同時に完成形」であり「それ以上は進化しない」という特徴をもっています。

実は、使ってみると分かるのですが、

  • 電話としては非常に使いにくいです。
  • 従来のボタン式のゲームは使いづらいです。
  • 電子書籍を読むには画面が小さすぎます。

という不便さはありますが、それを上回るほどの

  • メモ帳などのアプリが、簡単に app store から入れられます。
  • タッチタイプのスマートフォン型のゲームがたくさんあります。
  • 書籍は「読む」のではなく「ブラウジング(流し読み)」します。
  • ツイッターやフェイスブックが何処でも使えます。
  • Apple というブランド性

という利便性(あるいは中毒性)があります。
私の場合、2年前にツイッターにハマった直後、iPhone に買い替え(実は、飛行機の中で携帯電話を落としてしまったので、やむなく iPhone 4 に買い替え。iPad は既に持っていた)という経緯もあるのです。携帯電話でツイッターをやるよりは、iPhone でツイッターを閲覧する方が確実に便利です。これはタッチタイプというペンがいらない方式かつ、ブラウジングではなく専用アプリによる動作のなめらかさが長所になるのですが、ボタン動作に関しては、docomo の java アプリで作れば同等の操作性を実現できるので(ボタンを押すという、従来?方式でもありますが)特に iPhone が良いという訳でもありません。

しかし、市場原理として(あるいは経営的な判断として)、「最初に売れているものを追う」というサムスン方式は、かつて日本の電機会社が行った手法でもあり、現在でも行われている経済的な手法(ランチェスターの法則)、あたり前の方法です。既に「高速道路」が引かれているわけですから、それを使って追えばいいわけです。
なので、サムスンが apple の市場を喰い、あるいはスマートフォンという市場を拡げてパイを apple と分割する、かつ apple がスマートフォンという市場(apple にとって、スマートフォンという市場は、iPhone 専用の市場です)を荒らされるあるいは市場が無法化するのを嫌って、サムスンを訴えるのも当然なことです。

まあ、そんな泥臭い経営的な判断はさておき、apple とサムスンがお互いに体力を消耗している間、私達は何をすれば良いでしょうか?ってことです。

■ガラケーの末路と将来性

日本のガラケー(フューチャーフォン)が iPhone に一掃されつつあるように見えますが、他国の多機能電話も一掃されつつあります。OS 的に、iOS, Android が席巻してくると symbian とか brew とか docomo の java とか、panasoinc の 独自 itron が一掃されつつあり、欧州の gms 系なんて何処いったんでしょう、っていう状態です。フィンランドの経済(福祉社会)を支えていた nokia が凋落すると国も危ういという現象は、サムスンが凋落すると韓国が危ういという状態と同じだったりします。まあ、サムスンの重役が国策に関与しているという点では、初期の原子力発電所建設に経済界が強くかかわっていた(今でも関わっている)という点と同じですね…まあ、それはともかく。

ワタクシとしては、スマートフォンの電話機能には辟易していて、それほど電話が掛けない私であっても時々普通の携帯電話が恋しくなります。これは、iPhone であれ、sumsong の galaxy であれ同じことです。その他の android 型スマートフォンも同じ。元々、電話機は「受話器」と本体の電送部分が分かれていて「受話器」には、聞く部分と話す部分が別々に「顔の形状」に合わせて作られていました。これは、現状のスマートフォンでは完全に無視されています。平たい液晶だから、という点もありますが、従来の携帯電話では、音声を聞くところと話すところがある程度マッチングするように作られています。折り畳み携帯の場合は液晶を守るという役目もありますが、ある程度曲がることができるので、マイクの位置を変更しやすいという利点があります。

が、この電話機能としてのデザインが無視されているのは、スマートフォンがそもそも電話としての機能を優先させていないという第一の理由があります。Apple としては、iPhone で電話をされたって一銭(1セント)も入ってきません。そこで思いついたのが、app store という方式です。これは mac os 自体にもかつてあった?のかどうか調べていないのですが、自社の store で直接「買わせる」ことによってマージンを取れるようにします。商品自体は、apple でも作りますが他の品ぞろえも多くしておきます。いわゆる「流通業」に参入した訳です。
実は、流通に関しては docomo も au もやってはいたのですが、いまいち盲点/乗り気ではないような気がしますね。アプリを作るために docomo の java を公開したものの、公式や野良アプリが混在してしまって「流通業」には参入していません。docomo の場合は、アプリ販売からのマージンよりも、電話することよる課金が多いので、そちらに流れていたという現状もあります。今後の docomo の戦略としても「電話を掛けさせる、データを流れさせる」という方向になるはずです。

まあ、そんな会社の思惑とは別に、スマートフォンではない携帯、主に電話機能に特化かつ iPad などのタブレットとうまく融合するものを考えてみると、

  • 黒井白子が使っていた細長いペンシル型の携帯電話でもOK
  • au が出していた骨伝導を利用したイアフォン型の電話機のミニ版でもOK

な具合にタッチタイプの液晶部分を外してしまいます。iPod nano がミニサイズして行ったと同じように「電話機能」のデザインを重視して、それだけを残して他を排除します。

  • タブレットPC、WiFi専用スマートフォン?、に Wifi 機能を提供するディザリング機能(ルータ機能)

確かにタブレットPCに3GSなどの通信機能が付いていれば、便利には違いないのですが、「定期的な」通信料が掛かりすぎます。ユーザーにとっては、携帯電話のみに通信機能があって、それ以外は wifi/無線lan/bluetooth で ok です。現在のように機能が重なってしまった、スマートフォンと携帯電話を2台持つぐらいならば、

  • ルータ機能付きのミニ携帯電話
  • 大きな画面を持つ軽いタブレットPC

の組み合わせのほうが良いでしょう。あるいは、ジャックを付けて、タブレットPC に従来式のモデム機能を提供してもよいのです。

ただし、これは docomo のような回線を持っている会社は売り出しませんし、Apple や sumsong のように既にスマートフォンを持っている会社は出さないでしょう。なので、活路としては、windows phone なんですけどね…という訳で、最初の「windows phone に phone 機能を外せば」に戻るのです。

■タブレットPC の将来

私は、iPhone とは別に wifi-pockcet を持っています。wifi のみの ipad, ノートPC を活用するためには、やっぱり無線LAN 専用の機器があったほうがよいのです。また、何人か集まったときには無線LANの貸し出しもできるので、営業的にスムースです。

さて、電子書籍とタブレットPCという二つの市場がありますが、重量の問題が解決されれば、この市場はもうちょっとスタイルが変わってきます。

  • ほぼ使い捨てにできる、軽量な e-ink な電子書籍
  • ゲームアプリを導入が簡単なタブレットPC

という二分割ですね。どちらも、重量は200g程度が望ましいのですが、普通の文庫本や漫画本の代用にするならば、電子書籍は 180g よりも軽くしてほしいが、ゲーム中心となるタブレットPC は、PSP 程度(280g)程度で良いのです。e-ink の場合はダウンロードと画面の切り替え時以外、電気を喰わないのでバッテリー容積を少なくすることと、先の通信機能を wifi 化してしまうことにより更に軽量化あるいは「使い捨て」化が可能です。使い捨てにしなくても「リサイクル」化ができれば ok です。
「使い捨て」の e-ink を希望するのは、落として壊してしまって惜しくない価格帯であってほしいのです。プレゼント的に配布できるとか、
街中で100冊位の入れ込みで売れるとか、そういう従来の「本」感覚で売れる/読める感覚が欲しいのです。

amazon や kobo 社(楽天ではないよ)、はこのあたりを目指してほしいですよね。通信機能なんかは街の本屋さんで wifi 購入でもよいので、3gs の機能は不要なんですよ、本来は。

タブレットPC の場合は、ノートパソコンに代用するパターンとゲーム機に代用のパターンがあります。ノートパソコンの代用のパターンは、microsoft の surface のようにキーボードを別に用意します。iPad でもそうなのですが、ソフトウェアキーボードを出して執筆というのはほぼ難しいです。入力が面倒だから結局ノートパソコンを持ち歩いてしまいます。
しかし、ゲーム機の代用(あるいは後継)であったり、業務用のタブレットPCの後継(コンビニで使っている商品照会だとか、デパートでおいてある商品紹介の iPad だとか)はかなり様相が違います。

ペンタッチ式の業務アプリは windows xp のタブレット時代からあり、今も使われています。ちなみに、居酒屋のチェーン店では palm os がまだ使われていますよね。ペンタッチはそれなりに便利なのと、一度業務で作る/使うとなかなか次の段階には進みづらいのが、業界用アプリの特色です。
なので、タブレット市場にいくつかのセグメントがあるのです。

  • ゲーム機の後継/代替としてのタブレットPC
  • ノートパソコンの代替としてのタブレットPC
  • 業務タブレットの後継としてのタブレットPC

先に書いた通り、実はノートパソコンの大体にタブレットPCは難しいのです、確かにソフトウェアキーボードで打てないこともないのですが、タブレットの画面を半分以上覆ってしまうのは、ちょっと文章が見えなくて書ききれません。こうなると専用のキーボードが欲しいところで、そうなると単なるタブレット機能がある画面になってしまいます(それでも使い方はいろいろなんですが)。

ゲーム機の後継としては、iPad も microsoft の sufrace も同じです。iPad の場合は OpenGL で画面を作ることになりますが、windows 8 の場合は directX ですね。このあたりの「作り易さ/作り難さ」はよくわかりません。デバッガ関係では、directX のほうが圧勝な気がするのですが。ここは、psp などの専用機も交えないと駄目ですからね。

ですが、私の本来の狙い所は「業務タブレットの後継」です。実は、この分野を見ていくとレガシーなものをレガシーなままに使っているところもあり、新規技術を導入しているところもあり(顔認証とか)と様々です。レガシーなところは、windows xp タブレットの便利さです。vb6 がそのまま動くために、かつての vb6 アプリをタブレットPC でも動かせば、そのまま使えてしまうという利点があります。全画面で作ってしまえば、vb6 であろうと、.net であろうと変わりませんからね。画面操作のコンポーネントは旧文化オリエントのものを使ったりする訳です。

一方、新規技術のほうは、タブレット機能を使いたいがために、現在ではちょっと複雑になってしまっています。当時、液晶のタッチパネルが高かったので効果的に配置ができなかったのですが、安価なタッチタイプのタブレットPCが出てくれば、自動アプリ配信、リモートセッティングなどがやり易くなります。バックグラウンドに大きなPCを隠す必要もない(大抵は柱に隠してあります)。タッチタイプの液晶が壊れれば、機器ごと変えることもできるし、無線LAN が標準で付いているので有線LANケーブルの設定も必要ありません。これはかなりメンテナンスフリーな配置ができるわけです。

そんな訳で、私としは、

  • 単機能かつミニサイズの携帯電話(ルータ機能あり)
  • 使い捨てに近い軽量 e-ink タブレット
  • wifi 機能のみの軽量タブレットPC

を強く望むし将来的にはそうありたいなと。まぁ、通信市場としての docomo, au、スマートフォン市場としての apple, sumsong の攻防/思惑があるわけですんなりとはいかないでしょうが、なんども言いますが、windows phone に phone 機能が無ければ買うのにッ!!!

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